プロの原型師も使っているワックス工具とは?

アクセサリーは同じデザインのモノを複製することができる。
アクセサリーを複製するにしても、その大元となる原型を作る必要がある。

複製品作りは基本的には機械で行われるが、原型作りは人の手で作られているものが多い。
その原型作りを専門とする職人が原型師である。

原型師の中でも、地金(金属そのもの)を専門に扱って原型を作る職人さんと、ワックスを専門に原型を作る職人さんとに分かれる。

かく言う私も、デザインを起こして地金やワックスからアクセサリーを作り出しているので、その原型師の一人でもあるのかな。

地金とワックスでは素材の特徴が違うので、当然使われる工具も違うものを使ったりしていきます。

それでは、ワックスを使って原型を作っていく時に使われる工具って何が必要なのか、知っていますか?

彫金工具を販売しているホームページを覗いてみても、どのワックス工具が必要なのか、使ってみないといまいち分からないことと思います。

絶対必要なワックス工具から、あれば便利かなっていう工具まで、いろいろと出ていますからね。

そこで今回は、ワックスを彫って手作りのアクセサリーを作ってみたいあなたに、私が実際に使っている工具を例にして、必要とされるワックス工具はどれなのか?を紹介していきたいと思います。

※基本これから紹介する工具は、ハードワックスで作る時に使う工具です。

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ワックスの原型を作っていく時に使われる工具とは?

切る

糸鋸、ワックス用糸鋸刃

糸鋸の本体は地金用と兼用でも構いません。

しかし、糸鋸刃は基本的にはワックス専用のものを使いましょう。

地金用だと、刃が細かく目詰まりしてしまったり、ワックス用の刃と比べ細く、切る時の上下運動でワックスと刃に摩擦が起きて熱を持ち、切った箇所のワックスが溶けてまたくっ付いてしまいます。

削る

ワックスヤスリ(鉄ヤスリ)

地金用でいうところの粗目のヤスリです。

粗めの地金用ヤスリでも代用できます。

粗目のものを使わないと、削ったワックスの粉で目詰まりしてしまいますよ。

ワックスリーマー

指輪のサイズを変えるために使うヤスリです。

チューブワックス(指輪制作用のワックス)は穴あきのものが8号なので、それ以上にサイズを大きくしたい場合にリーマーを使っていきます。

8号より下のサイズのものは、穴なしのワックスに穴を開けてからリーマーで削っていきます。

ペーパーヤスリ

耐水ペーパーの紙ヤスリを使って、鉄ヤスリやスパチュラで削ったところを整えるのに使います。

番手(目の細かさ)がいろいろあり、80、100、120、150、180、220、240、280、320、360、400、600、800、1000、1200、1500、2000番と種類も豊富です。

メラニンスポンジ

最後のワックス仕上げ研磨に使います。

ペーパーヤスリのような紙状と違い、素材が弾力のあるスポンジなので、ワックスに負荷を掛けずに整えて磨くことができる。

キミとの出会いがハードワックスの仕上げを変えてくれた。

ハードワックスはロウソクによく似た性質があり、 爪で削り取れるぐらいの柔らかさなんです。 だから、キズが付かないようデザインの仕上げには十分に気をつけなければいけない。   仕上げには耐水ペ ...

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彫る

スパチュラ

鉛筆状の金属棒で、先端が色々なカタチになっています。

このスパチュラの先端の種類を使い分けて、アクセサリーデザインを彫っていきます。

 

くっ付ける・盛り付ける

ワックスペン

ワックスを溶かして、くっ付けたり、盛り付けたりして、デザインを変えるときに使います。

また、誤まってワックスを折ってしまった時などの修復にも使います。

ワックスペンがあるないでは、作業の効率や作れるデザインの幅が大きく変わっていきます。

ワックス工具の中ではちょっとお高い買い物かもしれませんが、必要不可欠の工具ですね。

磨く

ストッキング

耐水ペーパーなどでワックスのキズをすべて取ったら、最終仕上げとしてストッキングを使ってワックスに艶が出るまで磨きます。

この作業をしておくと、キャストした金属の表面の荒れ具合が違ってきます。

ワックスフィニッシュ

柔らかい布にこの液体を含ませ、ワックスの表面を磨いていきます。

小さなキズは消え、艶が出ます。

測る

スライディングゲージ

ノギスでは測れないような入り組んだ凹みがある箇所の厚みを測る工具です。

リングの裏抜きした部分の厚みを測るときに便利です。

慣れてくると、ワックスを光にかざした時の色の濃さを見て、どれくらいの厚みになったかを見極めることができます。

地金用ははさむ部分が尖っているのでこまかい部分まで測ることができます。

ワックス用はワックスが傷つかないようにはさむ部分が丸くなっています。

グラムスケール(はかり)

ワックスの重さを測る工具です。

その他、宝石の重さや地金の重さなども測ります。

0.01gまで計測できるものが便利です。

なぜワックスを測るのか?

ワックスの重さを測って、使いたい金属の重さを割り出します。
そして、使いたい金属1gあたりの単価から、その重さの金額を割り出します。プロは決められた予算内にコストを抑えて利益が出せるように、常に、重さのことを考えながら、原型を作らなければならないのです。

最後に

ワックスでの原型制作は、ある程度工具の知識を身につけてしまえば、なんとか形にすることができてしまいます。

技術はそれほど必要ではなく、失敗したとしても、ワックスペンを使って修正することができます。

完成させるためには、頭に立体的なデザインを鮮明に思い浮かべ続けられるイメージ力が重要になってきます。

これが出来るには、

手作りアクセサリーを作る前にプロがまず考えることでも紹介していますが、ちょっとした訓練方法があります。

これが、ある程度出来ていれば、コツコツと時間をかけさえすれば、思い描いたデザインに近いものを作り上げることはできるでしょう。

今回は工具の種類を紹介しただけでしたが、その工具たちを使った実際のワックス制作方法を別の機会に紹介しようと思います。

紹介記事がこちらです。

 

それでは最後に、ネットで買える彫金工具販売サイトをいくつか紹介します。

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